こんにちは、HIROです。
スーパーのレシートを見て、「前より高くなったな」と感じることはありませんか。
給料は少し上がったはずなのに、なぜか暮らしは楽になっていない。ニュースを見ても、何が起きているのかはっきりしない。でも、なんとなく不安だけは続いている。
その感覚は、気のせいではありません。
私はいま、アメリカで暮らしています。こちらで毎日感じているのは、まさに「狂乱」と言いたくなるほどの物価高です。ちょっとサンドイッチとコーヒーを買うだけで、日本円にして3,000円から5,000円。最初は目を疑いましたが、今ではそれが当たり前になってしまいました。
高い収入のある人は、それでもなんとかやっていけます。でも、そうでない人の暮らしは、目に見えて苦しくなっている。同じ街に住んでいても、見えている景色がまったく違う。アメリカにいると、その差が年々広がっていくのを肌で感じます。
そして、これは日本にとっても他人事ではありません。いまアメリカで起きていることは、少し遅れて日本にもやってくる。私はそう考えています。
ヨーロッパの選挙、止まらない物価高、AIの急速な広がり。一つひとつは遠い国の話に見えるかもしれません。でも、つなげて見てみると、そこにはひとつの大きな流れがあります。
この記事では、2026年9月時点の世界の動きを整理したうえで、「じゃあ、私たちは何をしておけばいいのか」という備えの話まで落とし込んでいきます。怖がらせたいわけではありません。流れが見えていれば、ニュースを見ても必要以上に揺れなくなる。そのための記事です。
1. いま世界で起きていること:真ん中の政治が細っている
まずはヨーロッパから見ていきましょう。
オーストリアでは、移民に厳しい右派政党・自由党(FPÖ)が、世論調査で40%近い支持を集めています。2024年の総選挙で第一党になりながら、他の政党が連立を組んだため野党にとどまっている政党です。それでも支持は伸び続けています。
ドイツでは、2026年9月に行われた旧東ドイツのザクセン=アンハルト州議会選挙で、右派政党AfDが第一党になりました。興味深いのは、AfDの支持が高い地域を地図に塗ると、かつての東西ドイツの境界線がほぼそのまま浮かび上がることです。ベルリンの壁が崩れて30年以上経っても、経済格差や歴史の記憶は、地図の上に残り続けているんですね。
そして北欧のスウェーデン。9月の総選挙では、中道左派の陣営が僅差で過半数を取り、国が真っ二つに割れるような結果になりました。
| 国・地域 | 起きていること | ポイント |
|---|---|---|
| オーストリア | 右派・自由党が世論調査で40%近い支持 | 政権の外にいながら支持が拡大 |
| ドイツ(ザクセン=アンハルト州) | 右派AfDが州議会選挙で第一党に | 支持の分布が旧東西の境界と重なる |
| スウェーデン | 総選挙は僅差で中道左派が過半数 | 国の意見が大きく二分 |
国によって結果はさまざまですが、共通していることがあります。それは、これまで国を動かしてきた「中道の政党」が支持を失いつつある、ということです。
2. なぜこうなったのか:安くなったものと、高くなったもの
背景にあるのは、思想の対立というよりも「生活の実感」だと私は考えています。
この30年、グローバル化のおかげで、身の回りのモノはどんどん安くなりました。一方で、人生に欠かせないものは、逆に高くなっています。
| 安くなったもの | 高くなったもの |
|---|---|
| テレビ・家電 | 住まい(家賃・住宅価格) |
| 衣服 | 医療 |
| 家具 | 教育 |
| スマートフォン | エネルギー(電気・ガス) |
| 日用品の多く | 老後の生活費 |
安いモノは手に入るようになったのに、「安心して暮らすためのもの」は高くなった。GDPや株価が上がっても、自分の給料は上がらない。家も買えない。
政治家やエリートは「国全体では豊かになっている」と説明します。でも、有権者が見ているのは国全体ではありません。自分の家賃、自分の電気代、子どもの学校、自分の街の治安です。このずれが、各国の選挙結果に表れているわけです。
3. 新しい政治の型:「国境は厳しく、暮らしは手厚く」
ここで面白いのは、有権者が求めているものが、これまでの「右か左か」では説明できなくなっていることです。
| 従来の右派 | 従来の左派 | いま増えている考え方 | |
|---|---|---|---|
| 政府の大きさ | 小さな政府 | 大きな政府 | 大きくて強い政府 |
| 移民・国境 | 比較的開放的 | 国際協調 | 厳しく管理 |
| 貿易 | 自由貿易 | 労働者保護 | 自国産業を守る |
| 暮らしの支援 | 自己責任 | 手厚く再分配 | 自国民に手厚く |
移民や国境には厳しく。でも医療・年金・子育て・電気代には手厚く。つまり、求められているのは「小さな政府」ではなく、「自分たちのために働いてくれる、大きくて強い政府」なんです。
これは、お金の流れにとってかなり大事なポイントです。関税、補助金、給付金が増えれば、国の支出は膨らみます。国の支出が膨らめば、物価は上がりやすくなり、通貨の価値は薄まりやすくなる。政府が大きくなる時代は、インフレが起きやすい時代でもあるということです。
4. 日本も無関係ではない
「ヨーロッパの話でしょ?」と思うかもしれません。でも、日本でも似たことはすでに起きています。
日本はすでに「移民の国」になっている
日本に暮らす外国人は、2025年末時点で400万人を超え、過去最多を更新しました。工場も、介護の現場も、近所のコンビニも、外国人の働き手なしでは回らなくなっています。
それでも選挙のたびに「受け入れるべきかどうか」という、まだ誰も来ていないかのような議論に戻ってしまう。現実が先に変わり、議論があとから追いかけている。これは日本のいろいろな場面で見られる構図です。
賃上げは、物価にも跳ね返る
もうひとつ、参考になる例があります。南米のコロンビアです。
コロンビアでは2026年、最低賃金が約23%も引き上げられました。労働時間の短縮や夜間割増の拡大も進み、働く人にとっては大きな追い風に見えました。ところがその後、物価がじわじわと上がり、2026年6月のインフレ率は6.14%と、約2年ぶりの高い水準になりました。特に食料品の値上がりが家計を直撃しています。
給料が上がっても、それ以上に物価が上がれば、暮らしは楽になりません。日本でも賃上げのニュースが続いていますが、大事なのは「額面」ではなく「物価を差し引いた実質でどうか」です。
5. これからの備え方5つ
ここまでの流れを整理すると、これからの時代はこんな特徴を持っています。
- 政府が大きくなり、インフレが起きやすい
- 生活に欠かせないものほど高くなる
- 賃上げがあっても、物価に追いつくとは限らない
- AIの広がりで、「働くこと」と「収入」の結びつきが弱くなっていく
では、何をしておけばいいのか。私は次の5つを意識しています。
備え① 資産を「日本円の現金だけ」で持たない
インフレが起きやすい時代に、すべてを現金や預金で持っていると、何もしなくてもお金の価値は少しずつ目減りしていきます。
アメリカで暮らしていると、このことを毎日のように実感します。日本でコツコツ貯めた日本円も、こちらで使おうとすると驚くほど目減りしてしまう。サンドイッチとコーヒーに数千円を払うたびに、「日本円だけで持っていたら、これから厳しいな」と思わされます。
大切なのは、ひとつのカゴにすべての卵を入れないこと。株式や投資信託など物価の上昇に合わせて価値が動きやすい資産、そして外貨建ての資産も含めて、無理のない範囲で少しずつ分散しておく。それだけで、物価や為替が大きく動いたときの揺れ方がまったく違ってきます。
備え② 給料は「実質」で考え、収入源を増やす
「給料が上がった」と喜ぶ前に、物価がどれだけ上がったかを見てみてください。そのうえで、収入の柱をひとつに頼らないこと。副業でも、投資でも、小さなスキル販売でも構いません。柱が2本、3本あるだけで、変化への強さはまったく違います。
備え③ 自分の代わりに働く「足場」を持つ
資本主義は、これまで何度も中身を入れ替えながら続いてきました。交易の時代、工場の時代、金融の時代、そしていまのデータの時代。次に来ているのは、AIが働き、人が「AIや仕組みを持つ側」と「持たない側」に分かれていく時代です。
働いて得るお金は足し算でしか増えませんが、資産や仕組みが生むお金は掛け算で増えていきます。投資、コンテンツ、自動化された仕組み。どんなに小さくてもいいので、自分の代わりに働いてくれる何かを持っておくことが、これからの土台になります。
備え④ 「生活に欠かせない支出」と「健康」を見直す
一度、家計を見てみてください。毎月の支出のうち、住まい・エネルギー・医療・教育といった「生きるために欠かせないもの」は何割あるでしょうか。その割合が、あなたにとっての本当の物価です。
そして、これから高くなり続ける医療費に対していちばん効く備えは、健康でいること。よく眠る、朝に歩いて光を浴びる、食べるものを選ぶ。これは節約であり、同時に最高の投資でもあります。
備え⑤ 5〜7年先までを「今」とひとつながりで考える
最後は考え方の話です。
将来のために今を我慢しすぎると、今日はつらいのに、未来はそれほど安全になりません。逆に、今の楽しみを優先しすぎると、未来から前借りすることになります。
おすすめは、30年先ではなく、5〜7年先までを「今とひとつながりの時間」として考えること。この範囲なら見通しが立ちやすく、今日やっていることが、そのまま数年後の自分につながっていきます。備えとは、我慢することではなく、今日を丁寧に生きることなんです。
| 備え | 具体的にやること |
|---|---|
| ① 日本円の現金だけで持たない | 株式・投資信託・外貨建て資産に無理なく分散 |
| ② 実質で考える | 物価との比較で給料を見る/収入の柱を増やす |
| ③ 持つ側の足場 | 投資・コンテンツ・仕組みを小さく始める |
| ④ 必需支出と健康 | 家計の必需支出の割合を把握/睡眠・運動・食事 |
| ⑤ 5〜7年で考える | 今日の行動を数年後の自分とつなげて選ぶ |
まとめ:変化に振り回されず、自分の軸で判断する
世界はいま、真ん中の政治が細り、政府が大きくなり、生活に欠かせないものほど高くなる方向に動いています。そしてAIの広がりが、その流れをさらに加速させています。
こうした変化は、止めることはできません。でも、早く気づいて、小さく準備しておくことはできます。
備えがあると、不思議と気持ちが落ち着きます。物価のニュースを見ても、為替が大きく動いても、「自分はもう手を打ってある」と思える。その安心感は、金額以上の価値があります。
大きな決断はいりません。今日できることを、ひとつだけ始めてみてください。
変化に振り回されるのではなく、静かに、自分の軸で判断できる人が、これからは強い。私はそう考えています。

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